10年前のある晩、ふとした瞬間に 「私はベルギーに住むことになる」 という確信が降りてきた。
そこで見せられたのは、異なるバックグラウンドを持つ人々が、お互いの個性を生かしながら助け合い、目標へ向かっていく世界線。
何かを論理的に考えたわけではない。私は、迷うことなくこの天啓を受け入れた。当時の私は、ベルギーについてほとんど何も知らなかった。
週末、家族に何気なくこう伝えたことを覚えている。
「将来はベルギーに住もうね。すごく楽しいと思う。」
すると、返ってきたのは意外な一言。
「ベルギーってどこ?」
◆ 偶然の積み重ねが「流れ」をつくる
それから数年後、夫が仕事でベルギーに出張する機会が増えた。
取引先の支社がブリュッセルにあり、何度か渡航を重ねるうちに、夫はこう言うようになった。
「ご飯が美味しいし、この国なら住めそう。」
しかし、当時の夫の会社では、海外駐在のチャンスはほぼゼロ。
「あの夜の確信は何だったのだろう?」
そう思いながらも、日常の忙しさの中で、その感覚は次第に薄れていった。
しかし、この時すでに 「流れ」 は加速し始めていたのかもしれない。
◆ ただプロセスを観察する
さらに数年後、夫はヘッドハンティングを受け、転職を決意した。
新しい職場に慣れ始めた頃、ある日突然、海外駐在の募集がかかった。
渡航先は——ブリュッセル。
この時点で、私はあの日受け取ったビジョンが、やはり天啓であったことを確信した。目の前に道が開かれ、偶然が積み重なっていくプロセスをただ、冷静に観察していた。
◆「リロケーションチャート」が示していたもの
ふとした思いつきで、リロケーションチャートを作成してみた。
すると、そこには 「驚くほど幸運な配置」 が描かれていた。
- 私のチャートには、木星・MC・火星のグランドトライン
- 夫のチャートでは、木星が天頂に位置し、MCとタイトにコンジャンクション
この配置が意味するのは、
「この土地で、私たちの可能性が最大限に引き出される」 ということだった。
◆「未来の確信」はどこから来るのか?
ベルギー駐在の選考が始まると、物事は驚くほどスムーズに進んだ。夫は上長と意気投合し、選考を楽々と通過。
あなたは、この話を「偶然の一致」だと思うだろうか? それとも、「運命」だと感じるだろうか?
もし、私たちの人生には「最も自然な流れ」があり、それに沿うと物事がスムーズに進むのだとしたら——
「未来の確信」とは、単なる直感ではなく、すでに存在する流れを感じ取ったものなのかもしれない。
◆ 天啓とは何か? そして、なぜそれを受け取れるのか?
天啓を受け取るという感覚は、私にとって初めてのものではない。これまでにも、何度かこうした 「未来の確信」 を経験している。
ではなぜ、一部の人は「天啓」のような直感をキャッチできるのか?
直感や未来予知に関する研究は、すでにさまざまな分野で行われている。
例えば、
💫 心理学・神経科学の分野では、「直感的な意思決定」や「非言語的な情報処理」が、脳の特定の領域と関連していることが示唆されている
💫 量子力学・意識研究の分野では、「人の意識が未来の可能性にアクセスする」 という仮説も提唱されている
これらの研究を総合すると、「未来の確信」は偶然ではなく、特定の認知プロセスによって生じている可能性がある。
つまり、「未来を直感的に把握する力」には個人差があり、ある種の情報処理スタイルを持つ人ほど、それを強く感じるのかもしれない。
しかし、鋭い知覚がなくても「未来を選択する」ことで、同じように流れに乗ることはできる。
◆「未来を選択する」とは?
- 未来の方向性を確信する
- その確信を忘れていても、水面下で現実が動き始める
- 結果が出るまでの過程には紆余曲折があるが、振り返るとすべてが一本の線でつながる
つまり、天啓がない場合は、自ら未来を選び取ることで流れを作ることができる。単に未来を『願う』のではなく、『確信する』または『選択する』ことが、意識の流れに乗るための鍵となる。
未来は選択できる。
しかし、そのすべてが、同じように叶うとは限らない。
なぜ、ある夢は簡単に実現し、ある夢はどんなに努力しても叶わないのか? それを知るためには、一度 "選択した未来" のその先を見てみる必要がある。
次回、『小さな奇跡を起こし続ける日々』で、そのヒントを探っていこう。
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